保護者の方からいただく質問の一つに、「子どもにプログラミングを学ばせたいけれど、資格って本当に必要ですか?」というものがあります。
本記事では、子どもたちのプログラミング教育に携わってきた経験を踏まえ、小学生のプログラミング資格のメリット・デメリット、資格の種類、選び方などについて、分かりやすく解説していきます。
小学生のプログラミング資格は本当に役立つ?
「プログラミング教室に通わせるだけでも結構な費用がかかるのに、さらに資格まで取らせる必要があるの?」という疑問、多くの保護者の方からいただきます。
確かに、資格取得には費用も時間もかかりますし、子どもにとって負担になる場合もあるでしょう。
正直なところ、プログラミング資格は、必ずしも必要というわけではありません。
特に小学生のうちは、プログラミングの楽しさを体験し、興味関心を育むことが何よりも大切です。
しかし、資格取得には、学習意欲の向上や自信の獲得、将来のキャリアパス拡大など、様々なメリットがあります。当教室でも、資格取得を目標に設定することで、驚くほど学習意欲が向上した生徒さんをたくさん見てきました。
例えば、以前はプログラミングにあまり興味を示さなかった子が、資格試験に挑戦することを決めてから、自主的に学習に取り組むようになり、メキメキとスキルを伸ばしていったケースもあるそうです。
また、資格取得を通して自信をつけ、難しい課題にも積極的に挑戦するようになった子もいるようです。
もちろん、資格取得が全てではありません。
しかし、お子さんの個性や学習状況によっては、資格取得が学習のモチベーションを高め、成長を促進する効果的なツールになり得るのです。
小学生のプログラミング資格が意味ないと言われる理由
「プログラミング検定は意味がない」という意見も耳にするかもしれません。
資格取得にばかり注力してしまうと、プログラミング本来の楽しさや創造性を育む学びから遠ざかってしまう可能性があるからです。
大切なのは、子どもたちがプログラミングに興味を持ち、自ら学び続ける姿勢を育むことです。
時に、ある教室のお子さんでも、資格試験の勉強ばかりに集中しすぎて、プログラミングが「つまらない」と感じてしまう子もいたそうです。
そうなってしまっては元も子もありません。
資格はあくまで学習のモチベーションを高めるための一つの手段であり、目的ではないということを忘れないようにしましょう。
小学生がプログラミング資格を取得するメリット5選
小学生がプログラミング資格を取得するメリットは下記5つです。
- 目標設定による学習意欲の向上と継続的な学習習慣の定着
- 達成感による自信の獲得と自己肯定感の向上
- 客観的なスキル評価と自己理解の深まりによる進路選択の明確化
- 将来のキャリアパス拡大の可能性と就職活動でのアピール材料
- 学習成果の可視化によるモチベーション維持と更なるスキルアップへの意欲向上
資格取得には、学習意欲の向上や自信の獲得など、様々なメリットがあります。
資格取得を目標にすることで、驚くほど学習意欲が向上するケースが多いようです。
①目標設定による学習意欲の向上と継続的な学習習慣の定着
漠然と「プログラミングを学ぼう」と思うよりも、「〇〇の資格を取る!」という具体的な目標を設定する方が、子どもたちは学習意欲を持ちやすくなります。
目標があることで、日々の学習にも目的意識が芽生え、継続的な学習習慣を身につけることができるでしょう。
例えば、ある教室のお子さんは、以前は宿題をなかなかやってくれず、親御さんも困っていたようです。
しかし、プログラミング資格の取得を目標に設定してからは、自ら進んで学習に取り組むようになり、今では教室の中でも特に熱心な生徒の一人に変わったそうです。
資格試験は、子どもたちに「やらされている」のではなく、「自分でやりたい」という気持ちを芽生えさせる効果的な方法と言えるでしょう。
②達成感による自信の獲得と自己肯定感の向上
目標としていた資格に合格した時の達成感は、計り知れません。
努力が報われたという成功体験は、子どもたちに大きな自信と自己肯定感を与えます。「自分はやればできるんだ!」という自信は、新たな挑戦への原動力となり、困難に立ち向かう力にも繋がります。
ある教室でとても内気な生徒がいました。
彼はプログラミングが好きでしたが、自分に自信がなく、難しい課題に挑戦することをためらっていました。
しかし、プログラミング資格を取得したことで、自分に自信を持つことができ、今では積極的に難しい課題にも取り組むようになったようです。
彼の成長ぶりには、親御さんも大変驚かされたようです。
③客観的なスキル評価と自己理解の深まりによる進路選択の明確化
資格試験は、自分のプログラミングスキルを客観的に評価する貴重な機会となります。
試験結果を通して、自分の得意な分野や苦手な分野を理解することで、将来どのような進路に進みたいのか、どんな仕事が自分に合っているのかを考えるきっかけになります。
特に、高学年のお子さんにとっては、将来の進路について考え始める時期でもあります。
資格取得を通して自己理解を深めることは、将来のキャリアプランを考える上で大きな助けとなるでしょう。
④将来のキャリアパス拡大の可能性と就職活動でのアピール材料
IT人材の需要が高まる現代社会において、プログラミングスキルは大きな武器となります。
プログラミング資格は、将来のキャリアの選択肢を広げ、就職活動などでのアピール材料にもなり得ます。
小学生の頃からプログラミングスキルを身につけておくことは、将来の可能性を大きく広げることに繋がります。
もちろん、資格が全てではありませんが、資格取得は、お子さんの将来の選択肢を広げる上でプラスに働くでしょう。
⑤学習成果の可視化によるモチベーション維持と更なるスキルアップへの意欲向上
資格という形で学習成果が目に見えるようになると、子どもたちは「もっと学びたい!」という意欲を持ち、さらなるスキルアップを目指して努力するようになります。
資格取得は、学習のモチベーションを維持し、継続的な学習を促す効果的な方法と言えるでしょう。
例えば、ある教室では、資格取得後にさらに高度なプログラミングに挑戦する生徒さんがたくさんいます。
資格取得を一つのステップとして、さらに上のレベルを目指して頑張る姿は、講師にとっても大きな励みとなります。
小学生がプログラミング資格を取得するデメリット2選
プログラミング資格の取得にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
デメリットをしっかりと理解した上で、資格取得を目指すかどうかを判断することが大切です。
小学生がプログラミング資格を取得するデメリットは下記2つです。
- プログラミングの楽しさを損なう可能性
- 応用力や創造性の育成が阻害される可能性
①プログラミングの楽しさを損なう可能性
試験勉強ばかりに集中してしまうと、プログラミング本来の楽しさ、ワクワクする気持ちを見失ってしまう可能性があります。
特に小学生の時期は、遊びを通して学ぶことが非常に重要です。
プログラミングも、ゲーム感覚で楽しみながら学ぶことで、論理的思考力や問題解決能力を自然と身につけることができます。
しかし、資格取得を目標に設定すると、どうしても試験対策に重点が置かれがちです。
結果として、プログラミングが「つまらない」「難しい」と感じてしまう可能性も否定できません。
ある教室でも、資格試験の勉強に追われて、プログラミングへの情熱を失ってしまったお子さんが何人もいたようです。
親御さんには、お子さんがプログラミングの楽しさを忘れずに学習できるよう、サポートしてあげていただきたいです。
資格取得を目指す場合でも、プログラミング本来の楽しさを体験できるような学習機会を設けるなど、バランスに配慮することが重要です。
②応用力や創造性の育成が阻害される可能性
試験対策中心の学習は、応用力の育成や創造性を育む機会を奪ってしまう可能性があります。
資格試験では、特定のスキルや知識が問われますが、実社会で求められるのは、それらを応用して問題を解決する力や、新しいものを創造する力です。
プログラミングは、単にコードを書くだけでなく、創造性を活かして様々なものを作り出すことができるツールです。
資格試験の勉強に偏ってしまうと、子どもたちの自由な発想や創造性を阻害してしまう可能性があります。
資格取得を目指す場合でも、試験対策だけでなく、子どもたちの創造性を育むような学習機会をバランスよく取り入れることが大切です。
このように、プログラミング資格の取得にはデメリットも存在します。メリットとデメリットの両方を理解した上で、お子さんにとって本当に資格取得が必要なのかどうか、じっくりと考えてみてください。
そして、資格取得を目指す場合でも、プログラミングの楽しさや創造性を育むことを忘れずに、学習を進めていきましょう。
小学生向けプログラミング資格の種類
小学生が取得できるプログラミング資格には、どのような種類があるのか、代表的な資格を2つご紹介します。
- ジュニアプログラミング検定
- Pythonプログラミング能力検定
ジュニアプログラミング検定
ジュニア・プログラミング検定は、小学生を対象としたプログラミングスキルの認定試験で、主にScratchというビジュアルプログラミング言語を使用して行われます。
ジュニア・プログラミング検定は、子どもたちがプログラミングを学ぶ過程での成長を評価し、自信や達成感を育むことを目的としています。
- Gold(1級): 複雑な条件分岐や演算を用いたプログラム作成が求められます。例えば、シューティングゲームなどの高度なプロジェクトを完成させる能力が評価されます。
- Silver(2級): 基本的な条件分岐や入れ子構造のスクリプトを使って、少数のスプライトを連動させたプロジェクトを作成します。計算ゲームなどが出題されることがあります。
- Bronze(3級): 単純な条件や筋道を用いたプログラム作成が求められ、レースゲームなどの基本的なプロジェクトが出題されます。
- Entry(4級): 入門レベルで、特定の条件に基づいた簡単なプログラム作成が求められます。おいかけっこゲームなどが例として挙げられます。
試験は実技形式で行われ、受験者は問題文や完成例ムービーを参考にしながら制限時間内にプログラムを作成します。
当教室は、「ジュニアプログラミング検定」の会場も行っておりますため、ジュニアプログラミング検定について知りたい親御さんは一度お問い合わせください。
Pythonプログラミング能力検定
Pythonプログラミング能力検定は、小学生を含む幅広い年齢層を対象としたプログラミング資格試験で、特にPython言語に焦点を当てています。
Pythonプログラミング能力検定は、プログラミングの基礎知識を測定し、学習者が自分のスキルを客観的に評価できる機会を提供します。
プログラミング能力検定(プロ検)の主な目的は、プログラミング教育の普及と学習者のプログラミング能力を可視化することです。
特に、2024年度から大学入試において「情報」が必修化されることを受けて、中高生のプログラミング学習へのニーズが高まっています。
上記背景から、Pythonは文部科学省の「情報Ⅰ」の教員研修用教材としても使用されており、多くの教科書でも採用されています。
プロ検は、ビジュアルプログラミング言語(Scratch)とテキストプログラミング言語(JavaScript、Python)の2つの形式で実施されます。Pythonによる受験は、テキスト言語版として位置づけられています。
- レベル設定:プロ検には全6レベルがあり、Pythonを使用するテキスト言語版は中高生を中心に設計されています。
- 出題内容:Python版では、変数の型や条件分岐、関数などの基礎的な知識が出題されます。
その他のおすすめ小学生向けプログラミング資格
ロボットプログラミングやWebデザインなど、様々な分野の資格があります。
お子さんの興味や関心に合わせて、最適な資格を選んであげることが大切です。
例えば、ロボット作りが好きなお子さんであれば、ロボットプログラミングの資格を目指すことで、より高いモチベーションで学習に取り組めるでしょう。
小学生向けプログラミング資格の選び方
小学生向けのプログラミング資格は多種多様。
どれを選べばいいのか迷ってしまうのも当然です。
本章では、プログラミング教室の先生として、数多くの生徒さんと関わってきた経験を踏まえ、資格選びのポイントを3つの視点から解説します。
- 子供の年齢や興味に合ったプログラミング資格を選ぶ
- 将来の目標に合わせたプログラミング資格を選ぶ
- 費用や学習方法も考慮してプログラミング資格を選ぶ
最適な資格選びで、お子さんのプログラミング学習をより効果的なものにしましょう。
子供の年齢や興味に合ったプログラミング資格を選ぶ
お子さんの年齢や発達段階、興味関心に合った資格を選ぶことが大切です。
低学年のお子さんには、ビジュアルプログラミング中心の資格がおすすめです。
例えば、Scratchを使ったジュニア・プログラミング検定などは、ゲーム感覚で楽しくプログラミングの基礎を学ぶことができます。
高学年のお子さんであれば、テキストベースのプログラミング言語を使った資格に挑戦してみるのも良いでしょう。
Pythonプログラミング能力検定などは、将来性のあるPythonの基礎を学ぶことができます。
また、お子さんの興味や関心に合わせた資格選びも重要です。
ゲームが好きならゲーム開発系の資格、ロボットが好きならロボットプログラミング系の資格など、お子さんの「好き」を活かせる資格を選ぶことで、学習意欲を高めることができます。
自分のお子さんに合った資格が知りたい方は、お問い合わせよりご相談ください。
将来の目標に合わせたプログラミング資格を選ぶ
お子さんが将来プログラマーやエンジニアを目指しているのであれば、本格的なプログラミング言語を学べる資格に挑戦することも検討してみましょう。
もちろん、小学生のうちに将来の夢が決まっているお子さんは少ないと思いますが、もしお子さんが「将来はこんな仕事がしたい!」という具体的な目標を持っているなら、その夢を応援できるような資格を選んであげると、学習意欲の向上に繋がるでしょう。
例えば、Webデザイナーに興味があるお子さんであれば、HTMLやCSSといったWebサイト制作に必要な技術を学べる資格がおすすめです。
資格取得を通して専門的なスキルを身につけることで、将来の夢に一歩近づくことができるはずです。
費用や学習方法も考慮してプログラミング資格を選ぶ
資格によっては、受験料や教材費など、高額な費用がかかる場合があります。
また、学習方法も、通学が必要な資格や、オンラインで学習できる資格など、様々です。
ご家庭の経済状況やお子さんの学習スタイルに合わせて、無理なく続けられる資格を選びましょう。
プログラミング教室と併用で学習効果UP!おすすめの学習方法
プログラミング教室と資格取得を組み合わせることで、より効果的な学習効果が期待できます。
教室では、実践的なスキルを身につけることができますし、講師からの直接指導を受けることで、疑問点をすぐに解消することができます。
また、資格取得を目指すことで、学習目標が明確になり、学習意欲の向上にも繋がります。
さらに、教室で学ぶ仲間と切磋琢磨することで、モチベーションを維持しやすくなります。
当教室では、生徒一人ひとりに合わせた個別指導で、指導しています。お気軽にご相談ください。
プログラミング教室に通ったことのないお子さんは、まずは、お子さんがどんな教室にあっているか選ぶことが大切です。
教室の選び方については、「子ども向けプログラミング教室の選び方」をご覧ください。
小学生のプログラミング資格に関するよくある質問
小学生のプログラミング資格に関するよくある質問の下記2つについて回答します。
- プログラミング検定は意味ないってホント?
- プログラミング検定は中学受験に役立つ?
プログラミング検定は意味ないってホント?
A:プログラミング検定は、資格取得が目的化してしまい、プログラミング本来の楽しさや創造性を損なってしまう可能性もゼロではありません。
しかし、プログラミング検定には、学習意欲の向上やスキルアップ、客観的なスキル評価など、様々なメリットがあります。
特に、目標設定が苦手な子どもや、競争心のある子どもにとっては、資格試験が学習のモチベーションを高める効果的なツールになり得ます。
大切なのは、資格取得を目的化することなく、プログラミングの楽しさを体験しながら、学習を進めていくことです。
検定は、あくまで学習の過程における一つの手段だと捉え、子どもたちの成長をサポートするツールとして活用していくことをおすすめします。
当教室では、一人ひとりの個性や学習状況を把握し、無理なく楽しく学習を進められるよう、丁寧に指導しています。資格取得に興味のある方、資格に興味はないが、プログラミングを始めたくなったお子さんの親御さんはご相談ください。
プログラミング検定は中学受験に役立つ?
A:プログラミング検定自体は、直接中学受験に影響するわけではありません。
つまり、プログラミング検定の合否が、中学受験の合否に直結することはありません。
しかし、プログラミングを通して身につく論理的思考力や問題解決能力は、中学受験だけでなく、様々な場面で役立つでしょう。
例えば、算数の文章題を解く際にも、論理的に物事を考える力が求められます。プログラミング学習を通して培った思考力は、様々な教科の学習にも応用できるはずです。
また、近年では、一部の中学校でプログラミング教育に力を入れているところも増えてきています。
中学受験において、プログラミングの知識や経験が直接評価される機会は少ないかもしれませんが、プログラミング的思考力は、今後ますます重要視されていくと考えられます。
まとめ:小学生もプログラミング資格を取得して将来役立つスキルを身につけましょう
プログラミング資格は、子どもたちの学習意欲を高め、将来の可能性を広げる一つの手段です。
メリット・デメリットを理解し、お子さんに合った資格を選んで、楽しくプログラミングを学んでいきましょう。
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